「メタバース」に乗り遅れるな!デジタル格差がますます広がるインパクト
1/4(火) 6:01配信
Yahhoo!
フェイスブックはメタバースを軸足に事業を行うこととなり、社名をメタに変更した
次世代の仮想空間である「メタバース」が注目を集めている。
インターネットを使いこなせる人や企業と、そうではない経済主体の差が広がる
「インターネット・デバイデッド」、あるいは「デジタル格差」と呼ばれる状況が出現したように、メタバース市場に参入できる企業と、それが難しい企業の差が鮮明になる「メタバース・デバイデッド」社会が、近く到来するだろう。
● メタバースに対応する力の有無が 各国企業の成長に影響を与える
最近、世界的に次世代の仮想空間である「メタバース」が注目を集めている。
最大の理由は、メタバースが世界各国の企業に多くの、新しいビジネスチャンスをもたらし、人々の生き方を大きく変える可能性を持つからだ。
まず、メタバースがどのようなコンセプトかをしっかりと理解することが重要だ。
メタバースによって、現実世界は限りなくリアルに近い形で、あるいはよりダイナミックにデジタル空間に再現されるようになるだろう。
メタバース関連技術が支えるデジタル空間では、人々が「アバター」として活動する。
それが集中した議論や新しい発想の創出など、経済運営の効率性向上につながるとの期待が高まっている。
その結果として、メタバースに対応する力の有無が、各国企業の成長に決定的な影響を与えるだろう。
メタバースに対応できる企業は、中長期的に成長する可能性が高い。
その一方で、過去の成功体験に固執して対応が遅れると、企業が淘汰される可能性は高まる。わが国の企業や個人は、メタバースを支える技術や理論に習熟し、それを発揮することによって、より多くの成長機会を目指すべき時を迎えている。
● メタバースを訳すなら 「超越空間」と言うべきだ
メタバース(Metaverse)はメタ(Meta:超越した、何にでもなれるといった意味をもつギリシャ語の接頭辞)と、ユニバース(Universe:宇宙、森羅万象、全世界などの意味)を組み合わせた造語だ。メタバースとは、これまでの常識を超越した世界を、ネットワーク上のデジタル空間で実現するための多種多様な理論(発想)、技術などを言う。
わが国では「仮想空間」などと訳されることが多いが、そのニュアンスはメタバースの発展の可能性を十分に捉えてはいない。しいて日本語に訳すとすれば、「超越空間」と言うべきだ。イメージとしては、ひとたびその世界に入ると、新しい発想や満足感が次々に得られるデジタル空間を思い浮かべるとよい。
メタバースのコンセプトは、ごく最近生み出されたわけではない。
その起源の一つと考えられる技術が仮想現実(VR)だ。
1960年代に米国では映画視聴を目的に「センソラマ」と呼ばれるごく初期型のVRシステムが開発され、映像の視聴に合わせて振動や香りを体験する仕組みが考案された。
その後、米国では拡張現実(AR)に関する技術開発が進んだ。さらに90年代に入るとインターネット通信が普及し、個々の端末をつなぐことによってネットワーク空間が構築され、SNSや動画ストリーミングなどの新しい需要が生み出された。
インターネット社会では、私たちは常時ではなく、必要に応じてパソコンやITデバイスを操作し、ネット上で情報を検索したり、会議を行ったりする。
それに対して、メタバース社会では、デジタル空間における活動と、現実社会での行動がリアルタイムでつながるようになると考えられている。さらに、デジタル空間では人々はアバター(分身、化身)として活動する。
● メタバースがもたらす 革新的なビジネスチャンス
各国企業がメタバースを重視するのは、それがより多くのビジネスチャンスにつながるとの期待が高まっているからだ。メタバースは私たちの生き方を劇的に変える力を持ち、経済運営の効率性を高める。
その一つとして、アバターの重要性を認識しておこう。
アバターの外見は、私たちの行動に無視できない影響を与える(プロテウス効果)。
スタンフォード大学のジェレミー・ベイレンソン氏らの実験結果では、長身で威厳を持った行動様式をとるアバターを提供された被験者は、低身長のアバターを使う被験者よりも強気に交渉を進めることが報告された。
また、コロナ禍で世界各国に急速に普及したZoomなどのオンライン会議システムに関して、自分の顔の見た目に満足を持てないことが原因で、利用者がストレスを感じていることも報告されている。
つまり、より魅力的なアバターを作ることによって、デジタル空間における人々の新しい行動様式が引き出される。
そのためには、高精度の画像処理センサーを用いて森羅万象に関するありとあらゆるデータを集め、それを用いてレンダリングを行う(データを用いた画像や音声などの生成)など、新しいデジタル技術が必要だ。
そのうえでメタバース利用者がより魅力的なアバターを手に入れることができれば、より積極的な自己開示(セルフディスクロージャー)が促進される。それによって、初対面の人(アバター)とより短い時間で集中した議論を行う可能性は高まり、個人や企業の成長は加速すると期待される。
そうした期待を背景に、鮮烈なデジタル体験の提供を目指してメタバース関連分野にヒト・モノ・カネをダイナミックに再配分し、新しい発想の実現に取り組む企業が増えている。それは、既存分野から先端分野への生産要素の再配分を加速させ、経済運営の効率性向上を支える。
● 「メタバース・デバイデッド」 デジタル格差社会の到来
今後の展開として注目されるのは、メタバース市場に参入できる企業と、それが難しい企業の差が鮮明になる「メタバース・デバイデッド」社会の到来だ。
90年代に米国でインターネット革命が起き、その後は世界各国に情報通信技術(ICT)が普及した。その結果、インターネットを使いこなせる人や企業と、そうではない経済主体の差が広がる「インターネット・デバイデッド」、あるいは「デジタル格差」と呼ばれる状況が出現した。
メタバース社会を目指す取り組みの加速によって企業間の競争は激化し、対応力のある企業とない企業の成長力格差は広がるだろう。デジタル空間上でメタバースに関するサービスを提供したり、新しいITデバイスを生み出したりする力を持つ企業は、中長期的に高い成長を実現する可能性がある。
反対に、自力でメタバースに必要な機器やサービスの創出が難しい企業の場合、メタバース企業の傘下に入らざるを得なくなるケースが増えるだろう。さらに言えば、メタバースに対応できないと長期存続が難しくなり、最終的には淘汰される企業が増えるだろう。メタバースに取り組む企業の増加とともに、世界のIT業界などで再編が進む展開が予想される。
メタバースを成長のチャンスと考えるか、自社に関係のない変化と考えるか、経営トップの意思決定の重要性はかつてないほどに高まっている。特に、デジタル化への遅れが深刻なわが国にとって、メタバースのインパクトは非常に大きい。
ポイントは、企業のトップが積極的に新しい発想の実現を目指して変化に対応しようとするか、それとも過去の成功体験に固執するかだ。同じことは個人にも当てはまる。
世界経済の最先端分野の理論を学び、実践を目指すことができるか否かが、中長期的な個々人の生き方に無視できない影響を与えるだろう。
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