トンガ 現地被害は不明 大規模噴火でネットや電話つながらず Komimi 2022 01 16



18日 14時 毎日
南太平洋トンガ沖の火山島で日本時間15日午後1時ごろ、大規模な噴火があり、気象庁は16日にかけて、日本の太平洋沿岸の広範囲に津波警報・注意報を出した。今回は津波到達が通常想定される時刻よりも早く、気象庁は「普通の津波ではない」と首をかしげる。トンガ沖の噴火はどのようなメカニズムで約8000キロ離れた日本に津波をもたらしたのか。

 京都大防災研究所の井口正人教授(火山物理学)によると、今回噴火した火山島「フンガ・トンガ・フンガ・ハアパイ火山」では2014~15年、新しい島ができるほどの大規模噴火があったという。人工衛星の画像などから、21年12月以降再び小規模噴火が始まったとみられ、今月14日から大規模噴火が立て続けに起きていた。噴火の種類は、大量の噴出物を放出する「プリニー式噴火」だ。

 噴火で島が崩落して大量の土砂が海へ流れ込むと、海面が押し上げられ、津波となって周辺に伝わることがある。死者400人以上を出した18年12月のインドネシアの火山島「アナククラカタウ」の噴火がそれに当たる。日本でも1792年、長崎県島原市の眉山(まゆやま)が噴火で崩落して対岸の熊本・天草に大津波をもたらし、約1万5000人が死亡した「島原大変肥後迷惑」が記録されている。

 井口教授は「14~15年に形成された島を吹き飛ばしている可能性がある。土砂によって津波が起きたのではないか」と見る。

 しかし、今回はそれだけでは説明しにくい現象がみられた。気象庁によると、小笠原諸島の父島(東京都)で潮位変化が観測されたのは15日午後8時ごろ。気象庁が通常の津波の場合に予想していた到達時刻より約2時間早かった。

 加えて、火山島から日本へ津波が伝わる途中にあるサイパン島やミクロネシア領ポンペイ島などの観測地点で、大きな潮位の変化が観測されなかった。

 通常、火山噴火や地震のような地殻変動が引き起こす津波は、遠く離れるほど威力が弱まり、津波の高さも小さくなる。約8000キロも離れた日本で、途中の観測点と同程度かそれを超える高さの津波が伝わる珍しい現象だったと言える。

 専門家が原因の可能性として指摘するのは、大気を介した津波の広がりだ。東北大災害科学国際研究所の今村文彦教授(津波工学)は、海底火山の噴火に伴う「空振」と呼ばれる衝撃波が津波を引き起こしたと分析する。衝撃波で空気が振動し、海水を伝わって日本沿岸に津波を発生させたと考えられるという。

 今村教授によると、日本で今回のような津波が過去に発生した記録はなく、初めての事例とみられる。今村教授は「通常の火山噴火による津波は局所的な影響にとどまるが、今回は日本まで影響した。非常に驚いている」と話した。

NZ首相「トンガ首都は落ち着いている」 飲料水の確保など課題も
1/16(日) 10:59配信 朝日


 南太平洋のトンガ諸島で15日午後1時すぎ(日本時間)に発生した海底火山の噴火は、太平洋周辺の広い範囲に津波をもたらした。
ニュージーランド政府によると、噴火直後に津波が到達したトンガ諸島では大規模な停電が発生しており、通信が難しい状況が続いている。
16日午前11時時点では死者、けが人は公式には報告されていない。

 ニュージーランドのアーダーン首相は16日の記者会見でトンガの被害状況について説明。
同国の高等弁務官事務所とは連絡が取れているとして
「首都ヌクアロファは火山灰が降り積もったものの、状況は落ち着いている」と述べた。
停電により、海底ケーブルを通じた通信が難しくなっているものの、現地では携帯電話が使えているという。

 トンガ側では降灰により、飲料水の確保が課題になっているという。
ニュージーランドはオーストラリアとも協議のうえ、支援を検討している。
だが噴煙により、飛行機による支援は難しい状況が続いているという。

 トンガ気象庁によると、噴火したのは首都ヌクアロファから北に60キロ余り離れた海底火山。同庁は噴火直後に、トンガ全域に津波警報を発令した。
ハワイにある太平洋津波警報センターによると、南太平洋のバヌアツでは15日午後6時ごろに1・4メートルの津波を観測。
南米チリでは16日午前6時すぎに1・74メートルを観測した。

コメント

コメントを投稿