ロシア、ウクライナ東部の親ロ派「共和国」の独立承認 プーチン大統領が平和維持の名目で軍派遣を命令
2022年2月22日
東京新聞
ロシアのプーチン大統領は21日、ウクライナ東部のドンバス地域にあるドネツク、ルガンスク2州で親ロシア派武装勢力が実効支配する一部地域を「独立国家」として一方的に承認する大統領令に署名した。プーチン氏は同大統領令で、両地域の平和維持を名目としてロシア軍の派遣を命じた。
軍部隊はただちに進攻する見通しで、米国や欧州は強く反発している。ウクライナ情勢は重大な局面を迎えた。
バイデン米政権は同日、ロシアによる親ロ派地域の独立承認を
「ウクライナの主権と領土保全への明白な攻撃だ」と強く非難。対抗措置として、親ロ派地域での米国人の新たな投資、貿易、融資を禁じるとともに、同地域で活動しようとするいかなる人物にも制裁を科す権限を持つ大統領令に署名した。
プーチン氏は21日、親ロ派の「ドネツク人民共和国」「ルガンスク人民共和国」の両トップをモスクワのクレムリンに招き、「友好相互援助条約」に調印した。
ドネツク、ルガンスク2州ではウクライナに親欧米政権が誕生した2014年、ロシアが主導する親ロ派武装勢力が蜂起し一部地域で「人民共和国」を自称。
プーチン政権は両地域に自治権などの「特別な地位」を与えることを盛り込んだ停戦合意「ミンスク合意」の履行を迫っていた。
プーチン氏は同日のテレビ演説で、ウクライナのゼレンスキー政権がミンスク合意を履行せず、2地域に対して攻撃を激化させているとして、ウクライナ側に責任があると主張した。
北大西洋条約機構(NATO)の東方不拡大を確約するロシアの要求を、米欧が無視したとも批判した。
バイデン大統領はウクライナのゼレンスキー大統領と電話で協議し、ウクライナの主権と領土一体性を確認。フランスのマクロン大統領、ドイツのショルツ首相とも電話で協議した。
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