プーチン大統領の特別代表が辞任 侵攻以降の辞任で最高位

 プーチン大統領の特別代表が辞任 侵攻以降の辞任で最高位

3/24(木)

BBC 


プーチン大統領の特別代表が辞任 侵攻以降の辞任で最高位


ロシアのウラジーミル・プーチン大統領の特別代表を務めていたアナトリー・チュバイス氏が辞任したことが、23日明らかになった。ウクライナ侵攻以降に辞任したロシア政府関係者で、最も高位の人物となった。


ロシアの報道によると、チュバイス氏は現在、妻と共にトルコにいるという。辞任についてまだコメントは出していない。


チュバイス氏は、ロシアの持続可能な開発目標について各国と調整する役割を担っていた。


ウクライナ侵攻が始まると、反政権派で2015年に暗殺されたボリス・ネムツォフ氏の写真をフェイスブックに投稿していた。コメントは添えられていなかったが、政権批判の姿勢を示したものと受け止められた。


ロシア政府ドミトリー・ペスコフ報道官は、「チュバイスは自らの意志で辞任した。(ロシアを)去ったかどうかは個人の問題だ」と話した。


  ■政府要人の姿見えず


ロシアではここ数週間、プーチン政権の重要人物は、ペスコフ報道官とセルゲイ・ラブロフ外相を除いて、ほとんど公の場に姿を見せていない。


ウクライナのミハイロ・ポドリャク大統領顧問は23日、ロシアの国防当局のトップ2人(セルゲイ・ショイグ国防相、ワレリー・ゲラシモフ軍参謀総長)やシークレットサービスの最高幹部らの姿が「どこにも見当たらない」のは興味深いと述べた。


チュバイス氏は、外国組織と関係をもつ特別代表のポストにあったが、ロシア政府の内輪の人物とはみられていなかった。


ソヴィエト連邦崩壊後の1990年代の経済改革における役割をめぐって物議を醸したことで知られる。当時のボリス・エリツィン大統領のもとで進められた一連の民営化では、富豪のオリガルヒが多数生まれたとされる。


チュバイス氏の辞任を、反政権派は冷ややかにみている。収監中のアレクセイ・ナワリヌイ氏の広報担当は、「彼の身と財産への危機感から」ではなく、反戦抗議の辞任だとの見方に疑念を呈した。


ロシア政府は、ウクライナ侵攻への批判を厳しく取り締まっている。国営メディアには、侵攻ではなく「特別軍事作戦」と呼ぶよう指示している。


国営テレビでは、ジャーナリスト数人が辞職している。「チャンネル1」の編集者だったマリナ・オフシャニコワ氏は、ニュース番組の生放送中、「戦争を止めろ!」と書かれたポスターを掲げ、国民はうそを告げられていると訴えた後、同局を辞めた。


ロシアでは、今回の戦争について「偽のニュース」を広めることを禁じる法律がつくられた。政治ジャーナリストのアレクサンドル・ネフゾロフ氏は、ロシア軍がウクライナ・マリウポリの産科病院を攻撃し、死者が出た詳細をソーシャルメディアに投稿。まだ起訴されていないが、捜査の行方が注目されている。


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