ロシア国営鉄道がデフォルト認定…外貨建て債務の利払い、金融機関が仲介拒否

 ロシア国営鉄道がデフォルト認定…外貨建て債務の利払い、金融機関が仲介拒否

4/12(火)

読売新聞

ロシア鉄道の発着点・ウラジオストク駅の天井画。左にモスクワ、右にウラジオストクが描かれている


ロシア国営鉄道会社「ロシア鉄道」が、外貨建て債務の利払いができず、債務不履行(デフォルト)と認定されたことが分かった。各国の金融機関が参加する業界団体「国際スワップ・デリバティブ協会」が11日付の文書で公表した。ロシアのウクライナ侵攻以降、ロシア企業のデフォルトが認定されたのは初めて。


 認定したのは、同協会の「クレジット・デリバティブ決定委員会」。文書やロイター通信によると、ロシア鉄道は2億5000万スイス・フラン(約340億円)の債務の利払い期限を3月中旬に迎えたが、猶予期間を過ぎても支払いが確認できなかった。


 ロシア鉄道は利払い期限までに支払いを済ませようとしたが、債権者への支払いを仲介する西側金融機関が「法律の順守義務」を理由に協力しなかったという。米欧などは経済制裁の一環でロシア関連の金融取引を制限しており、金融機関が協力を拒んだ可能性がある。


 タス通信によると、ロシア鉄道は政府の鉄道部局を前身としており、2017年時点では約77万人の従業員を抱えていた。デフォルトによる事業継続への影響は不明だ。


 ロシア国債のデフォルトも焦点となっている。ロシア財務省は6日、今月4日に支払い期限を迎えたドル建て国債の利払いと元本償還を自国通貨ルーブルで実施したと発表した。ドルでの支払いが求められている国債だが、「米財務省の措置でドル払いが拒否された」と主張している。


 米政府は6日、米金融機関を通じた債券の償還や利払いを禁止する措置を発表した。ロシア鉄道と同様、ロシア国債も事実上、金融機関を通じた外貨での利払いが不可能になったことから、今後デフォルトと認定される公算が大きい。

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