志位氏の自衛隊「活用」発言に「ご都合主義」批判
2022/4/9
産経
急迫不正の事態に「自衛隊を活用する」とした共産党の志位和夫委員長の発言が波紋を広げている。
党綱領では「憲法9条の完全実施(自衛隊の解消)」「日米安保条約の廃棄」を目指すとしており、「ご都合主義だ」などと批判的な意見が多く聞かれる。志位氏は近く、自衛隊への見解などを記した最新の党綱領解説本を発表するが、国民の理解をえられるかどうかは不透明だ。
志位氏は7日の党会合で、「急迫不正の主権侵害が起こった場合には自衛隊を含めて、あらゆる手段を行使して、国民の命と日本の主権を守り抜く」と強調した。
「憲法9条のもとでも個別的自衛権は存在する。
必要に迫られた場合にはその権利を行使することが当然というのが確固とした立場だ」とも訴えた。
共産は近年、自衛隊に関して同様の見解を示してきた。
しかし、ロシアのウクライナ侵攻などに伴い日本の国防に関心が集まると同時に、現実的な安全保障政策を示してこなかった同党の対応が注目される中、発信強化を迫られたとの見方もある。
夏の参院選で共産との候補者調整を模索する立憲民主党の泉健太代表は8日の記者会見で、「自衛隊や日米安保は国民共通の前提だという認識を多くの人が持っていることを共産も踏まえつつあるのではないか」と指摘。
そのうえで「明確に自衛隊は合憲だという理解をしてもよいのではないか」と共産に呼び掛けた。
一方、厳しい意見もある。
日本維新の会の松井一郎代表はツイッターで「志位さん、自衛隊は違憲、日米同盟破棄って言いながら自衛隊に国民の命を守れって御都合主義ですね」と批判した。
国民民主党の榛葉賀津也幹事長も8日の会見で、綱領との矛盾は否めないと指摘した上で「一貫はしていない」と述べた。
志位氏は近く党綱領を解説した「新・綱領教室」を発表する予定だ。
党は「(綱領に対する)攻撃にこたえ、共産党の真実の姿を明らかにするものともなっている」と説明する。
ただ、違憲視している自衛隊を活用するという主張は分かりにくく、国民の納得を得られるかどうかは見通せない。
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