ロシアの責任転嫁にほころび 犠牲判明で「ウクライナの仕業」

 ロシアの責任転嫁にほころび 犠牲判明で「ウクライナの仕業」

4/9(土)

時事通信


8日、ウクライナ東部クラマトルスクの鉄道駅に撃ち込まれたミサイルの残骸(AFP時事)


 親ロシア派との戦闘が続くウクライナ東部ドネツク州で、政府軍が支配するクラマトルスクの鉄道駅に8日、弾道ミサイルが撃ち込まれた。


 民間人に多数の犠牲者が出たと分かると、ロシアのメディアは「ウクライナ軍のミサイル」と報道。ただ、主張には早くもほころびが見える。


 ロシア軍は首都キーウ(キエフ)を含む北部の制圧に失敗。プーチン政権が重視する5月9日の旧ソ連の対ドイツ戦勝記念日までに一定の「成果」を得るべく、南東部を近く総攻撃する可能性がある。ウクライナ政府は「逃げられない恐れがある」と住民に即時避難を訴えていた。


 ウクライナ側の発表によると、クラマトルスクの駅は女性や子供など避難民約4000人で混雑。そこに短距離弾道ミサイルが着弾した。現地からの映像や写真によると、人々は倒れ、大きな荷物が散乱していた。ミサイルの残骸にはウクライナ語ではなくロシア語で「子供たちのために」と書かれていた。


 「ウクライナ軍が集結しているクラマトルスクの駅を10分前に攻撃した」。着弾当初、複数の親ロシア派ニュースは通信アプリ「テレグラム」でこぞって戦果として伝えた。しかし、避難民に死傷者が出ているのが判明し、不自然な形で削除。ロシアのメディアはウクライナ軍の仕業であると宣伝し始めた。


 地元記者の間では、2014年にドネツク州の親ロシア派支配地域上空でマレーシア航空機が撃墜され、乗客乗員298人が死亡した事件との類似性を指摘する声が上がる。この時、旅客機と判明するまで、親ロシア派幹部は「ウクライナ軍機を撃墜した」と誇り、これが間違いだと分かると、ウクライナ側への責任転嫁を図った。 


ロシア軍、避難民集まる駅にミサイル攻撃…子ども含む39人死亡

中央日報

2022.04.09  

避難民が集まったウクライナ東部ドンバス地域の列車駅にミサイルが落ち、子どもを含む39人が死亡した。ウクライナ当局はドンバス地域に対するロシア軍の大々的な攻撃が近づいているとみて地域住民に緊急避難令を出した状態だった。


8日(現地時間)のロイター通信などによると、ウクライナ・ドネツク州のキリレンコ知事はこの日、北部都市クラマトルスクの駅にロシア軍のミサイルが落ち、避難する民間人の数十人が死亡したと伝えた。ウクライナ国営鉄道会社はロシア軍が撃ったミサイル2発が駅に落ち、現在まで少なくとも39人が死亡、約300人が負傷したと明らかにした。死亡者の中には子ども4人も含まれている。


クラマトルスク市当局はミサイルが落ちた当時、駅の内外には避難する民間人およそ4000人が集まっていたと伝えた。ミサイル攻撃で多数の人が血を流して倒れ、かばんや服類が四方に飛び散った。


駅の近隣では攻撃に使用されたミサイルの残骸が発見された。ミサイルには「私たちの子どもたちのために」というロシア語が書かれていたと、AFP通信は伝えた。キリレンコ州知事は「ロシア軍の今回の攻撃は明らかに民間人を狙ったものだ」と強調した。


ウクライナ側はロシアが大量破壊兵器のクラスター爆弾で攻撃したと主張した。クラスター爆弾は一つの爆弾から小型爆弾数百個が散って多数の人命を殺傷できる非人道的な武器だ。2008年に100カ国余りがクラスター爆弾の使用禁止に同意したが、ロシアは参加しなかった。


ウクライナのゼレンスキー大統領は「ロシア軍は冷笑的に民間人を殺している。限界のない悪であり処罰を受けなければ決してやめない」と糾弾した。ウクライナの首都キーウ(キエフ)を訪問している欧州連合(EU)のボレル外務・安全保障政策上級代表はツイッターに「この不当な戦争を避けようとする民間人の脱出路を遮断し、人間的苦痛を引き起こすもう一つの試みだ」と批判した。米国も「ぞっとする衝撃的なことだ」とロシアを非難した。


ロシアはウクライナ政府の「自作劇」だと反論した。ロシア大統領府のペスコフ報道官は「ロシア軍はこのような形態のミサイルを使用しない」とし、ロシア軍の攻撃を否認した。ロシア国防省は「ウクライナ当局が住民の大量脱出を防いで『人間の盾』にしようとした」とし、駅の近隣で発見された「トーチカU戦術ミサイル」はウクライナ軍だけが使用すると主張した。


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