「ヒトラーにユダヤ人の血」 ロシア外相ラブロフの発言に各国反発



 ラブロフ氏は1日、イタリアのテレビ局とのインタビューで、ウクライナのゼレンスキー大統領がユダヤ系なのに、ウクライナを「非ナチ化」するという主張をどう説明するかと聞かれ、「われわれがユダヤ人ならナチ化とはどういうことかと言うが、私はヒトラーにもユダヤの血が流れていると思う」と述べ「長い間、賢明なユダヤの人々が最大の反ユダヤ主義者はユダヤ人自身だという意見を聞いている」と指摘した。

ラピド外相は「ウクライナの人々はナチスではない。ナチスはナチスで、ユダヤ人の組織的破壊に関与したのはナチスだけだ」と述べた。

ドイツ政府報道官は2日、ラブロフ氏の発言は「ばかげた」プロパガンダ(政治宣伝)だと述べた。

ウクライナのゼレンスキー大統領はラブロフ外相の発言に「言葉を失う」とし、「その後、ロシア政府が否定も正当化もしていないことを踏まえると、ロシアは第2次世界大戦で学んだ教訓を完全に忘れ去ったとしか考えられない」と述べた。

イタリアのドラギ首相は、ラブロフ外相の発言は誤りだとし、イタリアはロシアとは異なり表現の自由を認めているため、イタリアのテレビ局のインタビューで虚偽であってもこうした発言を行うことが可能だったと述べた。

カナダのトルドー首相も、ラブロフ外相の発言は信じがたく、「容認できない」として非難した。

コメント