ウクライナ侵攻5か月 小麦輸出拠点に攻撃 輸出再開できるか
2022年7月24日
配信 NHK
ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が始まってから24日で5か月となります。
ウクライナとロシアはウクライナ産の小麦などの輸出再開に向けて合意しましたが、合意の翌日の23日、南部にある輸出拠点の港がミサイル攻撃を受け、今後、輸出が円滑に再開されるのか国際社会の注目が集まっています。
ロシアがウクライナへの軍事侵攻を開始してから24日で5か月となります。
ロシア軍は、ウクライナ東部で攻撃を続ける一方、ウクライナ軍も欧米から兵器の供与を受けながら抗戦を続けています。
長引く侵攻で輸出拠点となっている南部オデーサの港ではロシア軍による封鎖でウクライナ産の小麦などの輸出が滞っていましたが、ウクライナとロシアはトルコと国連の仲介のもとで22日、輸出再開に向けて合意しました。
ところが、その翌日、ウクライナ軍などはロシア軍の巡航ミサイルでオデーサの港が攻撃を受け、けが人が出ていると明らかにしました。
これについて、アメリカのブリンケン国務長官は23日、声明を発表し「黒海経由でのウクライナの穀物の輸出再開を可能にする合意が成立してわずか24時間後に、ロシアは港を攻撃し、約束を破った」として、ロシアを厳しく非難したうえで、攻撃をやめ輸出再開に関する合意を着実に履行するよう強く求めました。
攻撃についてロシアからの反応は出ていませんが、トルコのアカル国防相はロシア側はミサイル攻撃への関与を否定しているとしています。
こうした中、ウクライナのクブラコフインフラ相は23日、SNSで「私たちはロシアを信用していないがパートナーや同盟国は信用している。ウクライナの港からの農産物の輸出開始に向け、準備を続ける」とし、合意に基づき輸出に向けた準備を進めていく考えを示しました。
世界的に食料価格の高騰や食料不足への懸念が高まる中、ウクライナからの食料輸出が今後、円滑に再開されるのか国際社会の注目が集まっています。
オデッサ港へのミサイル攻撃、ロシアが関与否定 ウクライナは非難
配信 毎日新聞
2022/7/24
ウクライナとロシアがトルコ、国連の仲介で穀物の海上輸送の再開について合意した翌23日、ウクライナ南部オデッサの港がミサイル攻撃を受けたことを巡り、トルコのアカル国防相は23日夜、ロシア側が関与を否定していることを明らかにした。
アカル氏によると、ロシア側はミサイル攻撃について「全く無関係だ」と全面否定した上で、「事案の詳細について調査している」と述べたという。ウクライナ軍によると、使われたミサイルは巡航ミサイル「カリブル」で、黒海で活動する戦艦から発射されたとみられる。4発のうち2発を迎撃し、残り2発は港のポンプ場に直撃したが、被害は小さいという。
アカル氏は、港から穀物を輸送船に積み込む作業に影響はなく、合意の履行は「継続できる」との認識を示した。ウクライナのクブラコウ・インフラ相もフェイスブックに「穀物を輸出するための準備を継続する」と投稿した。
ウクライナのゼレンスキー大統領は23日、通信アプリ「テレグラム」で「ロシアが何を約束しようとも、彼らが(輸送を再開する)合意を実行しない方法を探していることが証明された」と攻撃を強く非難。欧米からも批判が相次いでおり、英国のトラス外相は23日、今回の攻撃はプーチン露大統領の発言が「一言も信用できないことを示している」と指摘。ウクライナ産穀物の輸出再開に向け、「ロシアを関与させない」方法を考えるべきだと主張した。
国連によると、穀物輸送はオデッサなど三つの港から穀物を船に積み込み、黒海からボスポラス海峡を通じて目的地に向かう。またロシアとウクライナ、トルコ、国連の4者による「共同調整センター」を設置し、海上輸送を監視する。国連のグテレス事務総長のハク副報道官によると、グテレス氏は合意から2週間以内に輸送再開が可能になるとの見方を示していた。
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