ペロシ議長 2日夜にも台湾訪問か 蔡総統と面会情報も メディア

 ペロシ議長 2日夜にも台湾訪問か 蔡総統と面会情報も メディア

2022年8月2日 

配信 NHK


アジアを訪れているアメリカのペロシ下院議長が2日夜にも台湾を訪問する見通しだと、複数のメディアが伝えました。蔡英文総統と会うとも伝えられていて、中国当局は「軍は決して黙って見ていない」と強くけん制しています。


アメリカのペロシ下院議長は議員団を率いて、アジアを訪れていて、1日、最初の訪問国、シンガポールでリー・シェンロン首相と会談しました。


ペロシ議長は7月31日に発表した声明で、シンガポールのほか、マレーシア、韓国、日本を訪問すると明らかにしています。


台湾への言及はありませんでしたが、1日夜になって台湾の複数のメディアが、ペロシ議長が今夜にも現地を訪問する見通しだと伝えました。


このうち中国時報の電子版は、ペロシ議長が2日夜、台湾で1泊して、3日の午前に蔡英文総統らと会うという情報を外交筋から得たとしています。


ただ、外交筋は、中国が強く反対しているため、予定した時間に台湾に到着できるかは不確定だとも話しているということです。


また、自由時報の電子版は消息筋の話として、ペロシ議長が2日夜、台湾で宿泊し、3日、議会にあたる立法院を訪問する計画があると伝えました。


一方、アメリカのCNNも、アメリカと台湾、双方の当局者の話として、日程については触れていないものの、ペロシ議長が台湾を訪問する見通しだと報じました。


中国外務省は1日の記者会見で「もし台湾を訪問すれば中国は必ずや強力な対抗措置をとる。軍も決して黙って見ていない」と、強くけん制しました。


ホワイトハウス高官「過去にも訪問 議長にも訪問する権利」 

アメリカ ホワイトハウスのカービー戦略広報調整官は1日の記者会見でペロシ下院議長の台湾訪問については発表されていないとしたうえで「過去にも下院議長が問題なく台湾を訪問しているようにペロシ議長にも訪問する権利がある」と述べました。


そのうえで「1つの中国」政策に変わりはないと強調しました。


さらにバイデン大統領が先週、中国の習近平国家主席と行った電話会談の中で議会は独立した機関であり、訪問するかどうかは議長自身が決めることだということを明確に伝えたと明らかにしました。


またカービー氏は訪問を巡って中国が今後、台湾周辺へのミサイルの発射や、上空や海での大規模な軍事活動など、さらなる行動をとる可能性があると指摘したうえで「われわれは脅しには屈しない。こうした行為は誤解や混乱を生じさせる可能性を高める」と述べて中国側をけん制しました。


一方で「アメリカと中国の間の緊張を高める理由は何もない」と述べて中国との対話を継続する考えを強調しました。

林外相「米中関係の安定が重要」

林外務大臣は記者会見で「日本政府としてコメントする立場にない。一般論として申し上げれば、わが国としては米中両国の関係の安定は国際社会にとっても極めて重要だと考えている」と述べました。

中国外務省「ペロシ議長が台湾訪問すれば強力な対抗措置」

アメリカのペロシ下院議長が、アジア歴訪中に台湾を訪れるのかが焦点となるなか、中国外務省は「ペロシ議長が台湾を訪問すれば必ずや強力な対抗措置をとる。軍も決して黙って見ていない」と述べ、強くけん制しました。



アメリカのペロシ下院議長は先月31日、5人の議員団を率いてシンガポール、マレーシア、韓国、日本を訪問すると発表し、一部のメディアがこの期間中に台湾を訪れると伝えるなか、実際に訪問するのかが焦点となっています。

これについて、中国外務省の趙立堅報道官は1日の記者会見で、ペロシ議長は、大統領権限を継承する順位が副大統領に次ぐ地位にあるとしたうえで「ペロシ議長の地位は、彼女の台湾訪問を高度に敏感なものにしており、いつ、いかなる形での訪問も政治的に悪影響を及ぼす。もし台湾を訪問すれば中国は必ずや強力な対抗措置をとる」と反発しました。

さらに「われわれは、アメリカに改めて伝えなければならない。中国は厳戒態勢を敷いており、軍も決して黙って見ていない」と述べ、強くけん制しました。

台湾情勢をめぐっては、習近平国家主席がバイデン大統領と先月28日、電話で会談し、中国外務省は、習主席が「火遊びをすれば必ずやけどをする」と警告したとしていました。

米元高官「中国対峙に備え空母を」 ペロシ氏訪台を想定
2022年8月1日 
配信 日経

ラトクリフ元米国家情報長官は31日、ペロシ米下院議長が台湾を訪問する場合「米国防総省は中国がペロシ氏らの議会代表団と対峙すると脅してきた場合に備え、空母か戦闘機を動かす必要がある」と述べた。米フォックスニュースのインタビューで答えた。

ラトクリフ氏はトランプ前政権で2020年5月から21年1月まで米情報機関トップの国家情報長官を務めた。バイデン政権によるペロシ氏の訪台計画への対応については「失態だ」と批判した。バイデン大統領が訪台案を支持しなかった結果、中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席が「米国の弱み」につけ込んで強硬姿勢に出ていると指摘した。

バイデン氏は7月20日、ペロシ氏の訪台について「米軍はいい考えだと思っていない」と述べた。ラトクリフ氏は「バイデン氏はペロシ氏が台湾に行く権利を支持しなかったことは明らかだ」と強調した。

ペロシ氏は31日、アジア歴訪を正式発表した。日本、韓国、シンガポール、マレーシアでハイレベル会合を開くとツイッターで明かした。焦点の台湾訪問については言及していない。

ラトクリフ氏は「米情報機関は中国が政治的に台湾を統一できなければ、軍事的にそうすると以前から把握している」と言明した。「習氏が今後1年半以内に台湾で動きに出る計画について話していることが、情報機関の報告やインド太平洋の同盟国の情報からわかっている」と語った。

ラトクリフ氏はバイデン政権の対中国政策が弱腰だと非難し「(習氏の)計画がバイデン氏の大統領任期中であることは決して偶然でない」と訴えた。

21年8月のアフガニスタンからの米軍撤収を巡る混乱やロシアによるウクライナ侵攻に加え、緊迫する台湾情勢を挙げ「バイデン氏の外交政策がいかに失敗だったかを物語っている」と断じた。

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