おじいちゃんの小言が額縁から語りかけてきた日
こんにちは、コミミです。
今日は晴れ。庭では猫たちが、これ以上ないくらいのんびりと日向ぼっこをしています。
その横で、私は今日もおばあさんの家のおかたずけです。
不思議なもので、片づけを始めると必ず猫たちが集まってきます。
手伝うわけでもなく、ただじっとこちらを見るだけ。
どうやら現場監督のつもりらしく、無言のプレッシャーだけは一人前です。
そんな中、今日も家の奥から少し珍しいものが出てきました。
それは、おばあさんの物というより、おじいさんが大切にしていたと思われる品。
額縁に入った、親父の小言という文章でした。
名前だけ聞くと、少し身構えてしまいますよね。
読んでみると
親父の小言
朝きげんよしろ
火は粗末にするな
人には腹を立てるな
風吹きに遠出するな
恩は遠くから返せ
年よりはいたわれ
人には馬鹿にさせていろ
子のいうことを八九きくな
年忌法事をしろ
初心は忘れるな
稼業には精を出せ
借りては使うな
働いて儲けて使え
不吉はいうべからず
人には貸してやれ
難渋な人に施せ
女房は早くもて
義理は欠かすな
ばくちは決して打つな
大酒は飲むな
大飯は食うな
判事はきつく断れ
自らに過信するな
貧乏は苦にするな
火事は覚悟しておけ
水は絶やさぬようにしろ
戸締りに気を付けろ
怪我と災いは恥と思え
拾うは届け身につけるな
小商も値切るな
何事も身分相応にしろ
産前産後大切にしろ
泣き言は言うな
万事に気を配れ
神仏はよく拝ませ
鹿にされ子のときな
病気はぎょうざんにしろ
意味が解らなかったので調べてみましたら
つまり病気を甘く見るなってことみたいです
人の苦労は助けてやれ
家内は笑って過ごせ
よく思い返してみると、おじいさんが生前、これと同じような話を私にしてくれたことがありました。
当時の私は、正直なところ、難しいことを言っているなあという印象しかなく、
深く考えずに聞き流してしまっていたと思います。
けれど、改めてこの額縁の文章を読んでみると、
あのときおじいさんが話していた内容と、不思議と重なる部分が多いことに気づきました。
きっとその時点では理解できなくてもいいから、
何か大切なことを伝えておきたかったのだと思います。
額縁の中の文章は、なるほどと思える部分もあれば、
少し厳しすぎるのではと感じる部分もありました。
昔の人の教えだからこそ、今の感覚とは合わないところもあるのでしょう。
それでも、根っこの部分には、
どう生きるか、どう人と向き合うかという、大事な考え方が詰まっているように感じました。
もしかしたら、昔の人たちは、
こうした言葉を心に置きながら、毎日の暮らしを送っていたのかもしれません。
ちなみに、文字はかなり昔風で、読むのはなかなか大変でした。
途中でこれは解読作業なのではと思ったほどです。
それでも、おじいさんが大切にしていた言葉であることは間違いありません。
だからこの額縁も、これからは大事に保管していこうと思います。
片づけをしていると、物だけでなく、
そこに込められた思いや時間まで一緒に出てくることがあります。
今日見つけたこの額縁も、そのひとつでした。
また何か見つかったら、ここに書いていこうと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
コメント
コメントを投稿