「トランプが大統領だったら起きなかった」 英独立党ファラージ元党首、ロシアのウクライナ侵攻で持論

 「トランプが大統領だったら起きなかった」 英独立党ファラージ元党首、ロシアのウクライナ侵攻で持論

2022年2月25日

中スポ

 


ファラージ氏公式サイトから


 英ブレグジット党を率いたナイジェル・ファラージ元党首が24日、自身のツイッターを更新。ロシアのウクライナ侵攻は欧州連合(EU)と北大西洋条約機構(NATO)が挑発したことで起きたと主張した。


 「まあ、私は間違っていた。プーチンは私が思っていたよりもはるかに進んでいた。2014年に頭角を現したEUとNATOの拡大の結果だ。ロシアの熊を棒で突くのは意味がなかった。欧州にとって暗い日だ」とした。

 さらには別の投稿で「ここの多くの人々は、ドナルド・トランプが大統領だった場合、これは単に起こらないことだろうと感じている」との持論も展開した。

 ロシアは、2014年に親欧米政権となったウクライナが米国主導の軍事同盟であるNATOや、西側主導のEUに加盟することに強く反発していた。

 ファラージ元党首は英独立党、ブレグジット党で党首を務め、2021年に政界を引退後は後継政党のリフォームUKで名誉党首に就いている。


止まらないプーチン暴走 ウクライナ侵攻でいまさら出た“トランプ待望論” 

東スポ

2月26日

 ロシア軍によるウクライナ侵攻が止まらない。ウクライナメディアによると、ベラルーシとの北部国境から侵攻するロシア軍の部隊が首都キエフの近郊まで到達し、首都陥落も間近の様相だ。各国は追加の経済制裁を発表しているが、経済評論家の山本伸氏は「どれも実効性に欠ける」と疑問符。問題は弱腰姿勢の米国との声も強く、バイデン大統領に不満を持つ保守派のなかには、「トランプ氏だったらこうはならなかった」と、いまさらながら“トランプ待望論”が浮上している。


 もはや誰もロシアとプーチン大統領を止めることはできないのか?


 ウクライナに侵攻したロシア軍部隊は25日、首都キエフに迫った。ロシア国防省は、キエフ中心部から北西約30キロのホストメリ空港を空挺部隊で制圧、ウクライナ軍の200人以上を殺害し、キエフ西側に部隊を集中して封鎖したと発表した。ウクライナのゼレンスキー大統領は停戦交渉を呼び掛け、ロシア側はウクライナの中立化と非軍事化を条件に応じる考えを示した。中立化で北大西洋条約機構(NATO)に加盟しない確約を求めるとみられる。プーチン氏が侵攻の理由としたNATOは、ウクライナを加盟国ではなくパートナー国だという理由で軍事協力せず、各国は経済制裁という形でロシアの侵攻を止めようとしている。その経済制裁にどれほどの効力があるのか? 経済評論家の山本伸氏は「現在、発表されている経済制裁に効力はほぼない」と言い切った。


「例えば米国はロシア5大金融機関のドル取引制限や米国内資産凍結、さらにハイテク機器輸出規制など発表したが、どれも中国を介して、ロシアはリスクを大幅に回避できてしまう。最大の経済制裁はロシアにある銀行の国際決済ネットワークSWIFTからの排除だが、それは“もろ刃の剣”。手がつけられない」


 というのもロシアの銀行をSWIFTから排除すれば、困るのはロシア国内に進出している各国企業や、ロシアにエネルギーなどで依存しているドイツを始めとした欧州各国の方。決済できなくなり、世界経済に大きなダメージを与えることになる。それが分かっているからこそ、欧米各国は本気の経済制裁には弱腰なのだ。バイデン大統領自身も「制裁がプーチンを止められるとは言っていない」「効果を発揮するには時間がかかる」と発言している。首都陥落まで待ったなしの状況にあるウクライナ国民にしたら腰砕けの内容だ。


 侵攻前から“弱腰”と指摘されていたバイデン氏に対しては、米国内の保守派から批判の声が上がっている。その筆頭がトランプ前米大統領で、「自分が再選していたらこんなことは起こらなかった」と批判した。


 トランプ政権の国務長官だったポンペオ氏も保守系メディアに対し、「この14か月で変わったのは米国の指導者だけだ」「プーチンがより恐れていたのは誰だと思う?」と、暗にバイデン氏を批判。さらに「我々はプーチンに制裁を与えたが、同時に協力できるところは協力して抑止力を発揮してきた」と、トランプ政権時代の対ロシア政策を振り返った。

 在米ジャーナリストはこう話す。


「米国内ではバイデン政権の弱腰が、中国の台湾侵攻にもつながりかねないと批判が出ている。またバイデン氏は、当初から『武力行使はしない』と手の内を見せていたことで、プーチン氏が武力侵攻の成功に自信を持ってしまったと失策を指摘する声も強く、『交渉上手なトランプ氏だったら…』という声が上がっているのも事実だ」


 もちろんバイデン氏としては、武力介入してロシアと全面戦争に突入する事態を避けたい意向もあるだろう。実際、プーチン氏は24日のビデオ演説で「ロシアは世界で最も強力な核保有国のひとつだ」と、核をチラつかせて米欧を“恫喝”するような発言をしている。


 しかし武力による現状変更に対して何ら効果的な制裁を示せなければ、今度は中国を増長させて世界は無秩序となりかねない。世界の秩序を守るためにも、ロシアへの効果的な制裁を世界中が待ち望んでいる。


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